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「これでもう、今までの関係じゃ、居られなくなるな」 不思議と行為を直前にした今になって、そんな言葉が口を衝いて出た。 「……魔理沙は、今までの関係のままでいたいの?」 「そうじゃない、そうじゃないけど……なんだか余りにも急にこういう状況になったから、ちょっと不安で」 「ああ……」 なるほどね、と霊夢は納得して頷いて見せた。 「霊夢は、不安にならないか?」 「うーん……私はそこまで、不安にはなってないかも」 「……どうして?」 「そうねぇ……私は結構、魔理沙と一緒になる未来を夢見たことがあるから、じゃないかな」 「夢見た、未来?」 「うん……ちょっと、言えないけど」 それは、恥ずかしいから言えない、という感じではなかった。どちらかといえば言うことを何か躊躇う理由が あるみたいな素振りで、だから魔理沙にはかえってそれが気になった。 「どうして言えないんだ……? 私は、聞きたい、ぜ。霊夢が、私と、どうなりたいのか」 「う、うーん。気持ちは嬉しいけど、でも……聞いたら魔理沙も、逃げ場を失うかも……」 「そんなこと。逃げる気なんて、今更全く無いぜ?」 ――本当に? 霊夢が目でそう訊いてくるから、魔理沙はただコクンと頷いた。 「……本当に、訊きたいの?」 「ああ」 「本当に……私の気持ちを、言ってしまってもいいの?」 「あ、ああ」 「外は吹雪よ? 昨日魔理沙が来たときより、もっと酷い吹雪。 今もしも私が総ての気持ちを吐露したら、魔理沙はそれを無視できなくなるし、知らない振りもできない。 一度気持ちを口にしてしまったら、もしかしたら私、もう自分に歯止めが利かなくなるかもしれない。 もしもそうなったら吹雪が止むまでは魔理沙に逃げ場は無くなるわ。……それでも?」 一瞬の逡巡。けれど魔理沙は、僅かにだけ浮かんだ迷いをすぐに振り払った。 「……うん、聞かせて欲しい。霊夢の、気持ちを」 否、迷い等ではない。心を鈍らせるのはいつだってただの臆病な気持ちだ。――もうそんなものに迷わされない。 霊夢は少しだけ遠い目をしながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。 「……そうね、まずはキスしたい。魔理沙ともっと仲良くなりたい」 「ああ」 「手を繋いで一緒に空を飛びたいわ。一緒にお茶を飲んだり、一緒に眠ったりしたい」 「ああ、私もそうしたい」 「それから、キス以上のこともしたい……エッチなことも、魔理沙と、したい」 「……うん、それは今からするし」 「あ、あとね、えっと、そうね、それから……」 真っ赤だった霊夢の顔が、さらに朱に染まっていく。 「それから?」 私は霊夢に言葉を促す。 「……それから、魔理沙とずっと一緒に生きて生きたい。 私がいつか死んで、この身が灰になるまで。――私はずっと、魔理沙と一緒に生きて、死にたい」
一応プロットの文章なので会話文だらけですが、これから一気に描写文が増えてしまいます。でも描写ってとりとめもなく量だけ書いてしまう良くない性分なもので、本当は会話文が多い段階のほうがまだマジなのではないかとも思ってしまいますががが。
東方本の表紙絵については相方が最高のものを描いてくれた(日記参照)ので、期待大でございます(・∀・) 例によって表紙の加工は稀代のおしっこスキーであらせあれる梵猊下です。
「この身が灰になるまで〜」ってくだりがどうにも覚えがあったので「なんだっけー?」と相方に訊いたら「少女セクトじゃねえ?」と即答されましたが、聞かなかった方針でそのまま使ってしまう所存でありますc⌒っ.д.)っ
東方本のプロットはもう完成してるので(挿絵の指定がまだですが)、一旦ここでマリみて側に取り掛かります。本文入稿日は12日がるばんぞー!(o・∀・)o