例大祭原稿中です。更新率が低いのは別に原稿中の時期に限らないので、特筆すべきこともないのですが(苦笑)

文さまの家へと飛びながら、椛は半ば苦笑気味に思う。
(……下着を身に着けることが許されない日々にも、随分と慣れた気がする)
文さまに初めて愛された日に交わした約束は、もちろん椛にとって絶対のもので。あの日以来、椛は一度として
下着を身につけたことはないし、ミニのスカート以外を穿いたこともない。
初めの頃にはあまりの頼りなさから、殆ど徒歩のように地面スレスレしか飛べなかったり、あるいはその真逆にとんでもなく
高い場所を飛ぶことしか出来なかったのを覚えている。
だって、少し高い場所へ身体を浮き上がらせるだけでも、風は簡単に短すぎるスカートを靡かせて。
下腹部へと簡単に吹き込んでくる冬の風が、否応なく椛に露出している恥ずかしさを意識させてしまうのだ。
……でも、今ではそんな風にそっと人目を避けるようなこともしなくなった。
だって、気付いたのだ。下着を身につけないことも、ミニのスカートを穿くことも、総て。
(――文さまが、指示くださったことなのだから)
木々よりも少しだけ高い場所。その程度の高さを飛べば、もちろん下を歩く誰かに見られる可能性がある。
それでも……見られたら見られたで、構わないとさえ今では思う。
見られることの恥ずかしさが無いわけではない。やっぱり椛にとっての何よりも恥ずかしい場所、そこを
知らない誰かに見られるかもと思えば、顔が真っ赤になるぐらい恥ずかしいことで。
……でも、例え下の沿道に誰かが歩いていたとしても、椛はそれを避けて上を飛んだりしない。
見られる畏怖も、恥ずかしさも。総ては文さまが与えて下さる苛みなのだから。
心の中で何度も恥ずかしさを反芻しながら、それでも椛はただ文さまの望むその辱めを受け入れるのだ。

何だこの精神的に病んだプロットは(苦笑)