書かせて頂いたお話は蔦子×祥子という少し珍しいカップリングのものです。タイトルは「月下美人」。といっても夜を主題にした小説ではありませんし、月の描写など一切出てきません。ご存知の方も多いと思うのですが、月下美人というのはサボテンの名前です。
月下美人は夏の季語としても使われますが、夏のなかごろから秋の終わりまでに掛けて年に一度だけ花を咲かせます。しかしながら夜に咲く月下美人の花は一夜きりで枯れてしまう為、主に単語としては儚さや華奢さ、弱弱しさ、あるいは繊細さを連想させる場合が殆どです。
しかし月下美人は手入れさえ良ければ年に二度花を咲かせる場合もあります。夏に一度花を落としても、秋にもう一度花開く場合があるのです。蔦子×祥子という話は、どうしても祥子の失恋を前提としなければお話として自分には書きづらくて、結果的に祥子は祐巳に一度失恋したことにしてしまいました。
失意の底に陥っても、蔦子の献身によって少しの時間を経てもう一度花開く。そういうイメージでタイトルを付けました。こんなの判るわけがありませんよね、ええ(滝汗)


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